「建築構造物の耐震性確保のための提言」
「耐震設計偽造に関する研究集会」11月21日(月曜日)の議論をふまえて

2005年11月29日(11月24日に提言案を発表)
NPO法人建築技術支援協会
 文責:和田 章、安部重孝、米田雅子

5. ピアーチェックの導入
建築物の構造安全性は財産だけでなく住んでいる人々の人命にも関わるから、構造設計の図面、計算書、設計の考え方などについて、複数の専門家、複数の目で見ることは是非とも必要である。これに、ピアーチェック”Peer Check”制度の導入が必要である。これは、欧米で古くから使われている審査法であり、設計者Aの申請書を設計者Bが審査するというように、審査を実務設計者に依頼する方法である。審査機関は申請書を割振る役目を担うことになる。学会の論文審査などに我国でも古くから使われている確実な方法であり、専門家同士で確認することで、「ピアーチェック」または「ピアーレビュー」と呼ばれている。Peerには「(社会的に)同等の地位の人;同僚、(法律上の)対等者;(能力・資格・年齢などが)同等の[匹敵する]人」の意味がある。