第14回オンライン講座
10月26日(土)
13:30~ 15:00
(終了しました)
録画視聴申込み |
テーマ: 「居住者に伝えよう、これからの住宅で配慮すること」~ カーボンニュートラルに向けて~
日時:令和 6年10月 26日(土)13:30~15:00 (終了しました)
会場:Zoomによるオンライン配信
講師:栗原潤一 住環境α研究所 所長 (サーツ会員)
受講料:1,000円
募集人員:100名
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【講演要旨】
2020年10月に当時の、菅義偉内閣総理大臣は、「2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、すなわち2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」ことを宣言した。日本全体であるので、その中には、住宅を含む建設も、もちろん含まれている。2018年に12.4億トン排出していたCO2を排出削減し、削減しきれなかった分は、吸収や除去により差し引きゼロにすると、されている。住宅は、一般の方々、特に健康な成人に限らず、乳幼児から高齢者まで弱者も生活する場である。また、竣工後、何十年という長い期間あまり仕様変更されることなく使用される個人の資産であることが多く、コストの高い材料や仕様は選択されないことが多い。しかし、住宅においても、環境問題対策は、避けて通ることはできない。住宅の場合は、構法・材料・設備等に関しては、発注者が詳しくない場合が多いので、住宅提供者が、発注者に代わり、事前に把握して、用意する必要がある。住宅における環境問題対策としては、省エネ、省CO2に限らず、居住者の高齢化、自然災害の対応等、住宅としての背景を把握し、住宅の「建設」、「使用(運用)」の段階ごとに考えることが必要である。
ここでは、カーボンニュートラルという目標を目指すために、省エネルギーや再生エネルギー利用を進めながら、快適性、健康維持、耐久維持、自然環境への配慮等、住宅の他の役割にも配慮すべきことに加え、居住者に対し有効な住まい方について助言すべき事項についても解説する。 |
第13回オンライン講座
7月 6日(土)
13:30~ 15:00
(終了しました)
録画視聴申込み |
テーマ: 「建築の負動産化の様相と資源循環」~ マンションの負動産化を防ぐためには~
日時:令和 6年 7月 6日(土)13:30~15:00(終了しました)
会場:Zoomによるオンライン配信
講師:吉田倬郎 工学院大学名誉教授(サーツ理事)
受講料:1,000円
募集人員:100名
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【講演要旨】
不動産とは、土地とその定着物とされ、建築物は定着物の代表的なものである。不動産には相応の効用と価値があり、それを所有、専用あるいは利用するには、一定の対価を要する。また、不動産には基本的に所有者があり、所有者は公共と民間に大別されるが、所有する不動産が所定の効用を発揮し価値を維持するための対価を投じることとなる。
近年、不動産の「不」を「負」に置き換えた「負動産」の議論が様々にみられ、昨年の日本建築学会の研究協議会のテーマにもなっている。所有する不動産の効用や価値がそれらのために投じられる対価に相応するものであれば負動産の議論につながるような問題はないが、様々な事情によってその効用や価値が投じられる対価に相応しなくなる、あるいは、所有者が対価の負担に耐えられなくなることもある。また、不動産の効用や価値は変化し、建築の機能や性能には経年によって劣化する側面があり、これらへの対応にも相応の対価を要する。不動産の場合、公共民間を問わず、社会資産としての側面があり、民間の不動産でも所有者には社会資産としての適切なありようの維持については一定の責任があることに留意が必要である。
負動産への関心の高まった背景として、建築の長寿命化が見逃せない。地球環境保全において、資源・エネルギーを大量に投じて造られる建築の長寿命化は、重要な課題となっているが、長寿命化に伴う様々な課題への適応を誤ると、負動産化につながることとなる。
負動産化のリスクはすべての建築物にあるが、マンションについては、区分所有に伴う特有の問題がある。重要事項に関する意思決定、応分の責務が果たせない区分所有者への対応などの問題が、マンションの長寿命化とともに増大し、これに区分所有者の高齢化が拍車をかけている。日本では、2022年末のマンションストックは700万戸、うち築後40年以上のものは125万戸であり、20年後の築後40年以上のものは445万戸と推計されている。マンションの負動産化は、個々の区分所有者、周辺区分所有者、管理組合、地域社会、行政などに、様々に影響を及ぼす。こうした事情を体系的に捉え的確に備えることの重要さが、今再認識されている。今進められている区分所有法の改正も、重要なステップとなることが期待できるが、問題の根深さを改めて感じないわけにはいかない。 |
第12回オンライン講座
3月30日(土)
13:30~ 15:00
(終了しました)
録画視聴申込み |
テーマ: 「既存建築物のエコ化推進に向けたあるべき姿の将来展望」
日時:令和 6年 3月30日(土)13:30~15:00(終了しました)
会場:Zoomによるオンライン配信
講師:木村博則 人・環境ラボ 、元(株)石本建築事務所 環境統合技術室室長
受講料:1,000円
募集人員:100名
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【講演要旨】
脱炭素社会実現に向けて、新築建築物の全ては2025年4月より省エネ基準適合義務化が始まる
なか、多くのビルの棟数を占める中小規模のオフィスビルをはじめとした既存建築物については、具体的な方策が今後の課題となっている。
本講座ではその課題等について下記により紹介・報告する。
〇国土交通省と経済産業省、環境省による「脱炭素社会に向けた住宅・建築物における省エネ
対策等のあり方・進め方に関するロードマップ」から、今後の課題を抽出する
〇2008年度~2011年度の4年間行われた、環境省 調査研究「建築物等エコ化可能性評価促
進事業」報告書(概要版)(注記)から、
・改修可能性チェックシートの提案、改修等の概算工事費、LCCO2削減検討、投資コスト
検討、
及び継続してこの課題に取り組むための関係機関の図式の構成などを紹介する
本事業の検討会では、NPO法人 建築技術支援協会 代表理事 松村秀一 元東京大学大学
院教授、他7名の各分野の有識者のご指導をいただいている。
・間もなく竣工後100年を迎える建築家 村野藤吾 設計の「森五商店東京支店」(1931年
竣工)、
現在の「近三ビルヂング」の調査が行われ、長寿命建築のモデルとしての貴重
な示唆を得たのでその調査結果を報告する
〇中小規模のオフィスビルの改修を対象とした建設会社各社等の取り組み状況のアンケート
調査結果を報告する
〇これらの調査結果を参考にして作成された、建築物の所有者が自ら簡易に評価する手法
(改修可能性チェックシート)を解説し、一般社団法人日本ビルヂング協会連合会加盟の
中小テナントビル事業者のご協力により行われたアンケート結果を紹介する
〇自ら管理するビルのエネルギー消費量の現状を知るために、一般社団法人 日本ビルエネル
ギー総合管理技術協会において昭和53年度から現在まで毎年度、継続して収集された実績
データを活用して分析を行った事例を紹介する
まとめとして、今後の中小規模の既存建築物のエコ化に向けた将来展望を述べる
(注記)
環境省 調査研究「建築物等エコ化可能性評価促進事業」の報告書は、NPO法人 建築技術
支援協会の
ホームページ(https://www.psats.or.jp/katsudou/jyoho-hasshin.html)から、
本報告書(概要版)を情報発信していますので、必要に応じ、ダウンロードしてご活用ください。 また今後、本調査研究「建築物等エコ化可能性評価促進事業」の請負者である株式会社 石本
建築事務所のホームページから、本報告書(詳細版)等を情報発信する予定です。 |