海外における木質構造建築の実情―�◆�
             「欧州における―歴史、文化、環境からみた木造建築」

                      静岡大学教授 安村 基(やすむらもとい)

○講座概要

 石の文化であると考えられがちな欧州においても、木材は建築に欠くことのできない素材であり、古くから建築の構造要素として用いられてきた。我が国においても、古くは木材は大規模建築を建設するうえで必要不可欠な材料であったが、現在では大規模建築に木材が用いられることは稀である。
 これに対して、欧州では住宅に木材が多用されることは比較的限られているが、比較的規模の大きい建築に集成材構造をはじめとする大架構が適用されることが多い。特に、CO2排出が問題となる昨今においては、木材の有効利用は急務であり、公共建築物をはじめとする大規模建築物にCLT(直交積層木材)パネルなどの環境を考慮した新しい材料が有効に用いられるようになってきた。
 これらを踏まえて、欧州における木造建築の現状について紹介する。

○講師紹介
 

静岡大学 農学部 環境森林科学科 教授
 東京大学農学部林産科、大学院農学系研究科博士課程修了(農学博士)。東京大学助手、建設省建築研究所を経て、静岡大学農学部森林資源科学科助教授、2005年より現職。専門:木質構造。1993年カナダ・フォリンテック公社客員研究員、2010年グルノーブル・ジョセフ・フーリエ大学客員教授。