シンポジウム・セミナーのご案内

令和7年「サーツ寺子屋」 オンライン講座

 本年も皆様のご期待にこたえる企画を予定しています。講座については詳細が決まり次第、ホームページに随時掲載します。
 皆様のご参加を歓迎します。

第17回オンライン講座
 12月 6日(土)
 13:30~ 15:00

  (終了しました)

テーマ: 住み慣れた我が家にちょっと手を加えて長く住み続けたい方への
      『既存木造戸建住宅の長寿命・省エネ改修のすすめ』

 日時:令和 7年12月 6日(土) 13:30~15:00
 会場:Zoomによるオンライン配信
 講師: (サーツ会員) 中田幸夫・中野時衛・河野豊弘

 受講料:無料
 募集人員:100名


【講演要旨】
本年(2025年)4月に「改正建築物省エネ法」が施行され、一部を除くすべての住宅にも、一定の省エネ性能の確保が義務付けられました。2050年カーボンニュートラルを目標とした国際公約実現のための、建築界のマイルストーンと言えます。省エネ性能の義務付けは新築住宅に対してであり、5000万戸を超える既存住宅への対応をどのようにするかが課題として浮かびあがってきていることがわかりました。国土交通省はじめ、各自治体、民間の研究者等、「省エネ改修のすすめ」といったニュアンスのタイトルで発信し、助成金を予算付けして動機づけをしています。

サーツでは、既存木造戸建住宅には高経年化また所有者の高齢化等様々な課題があることに着目し、長寿命省エネWGを立ち上げ、「長く住み慣れた愛着のある住宅に今後も住み続けたい」と願う方々を中心に、安全で快適な住環境に可能な投資金額で実現できるよう的確なアドバイスをできればと考えました。このような活動を作る側にも理解していただき、少しでも多くの方々の動機づけとなり、カーボンニュートラルへ少しでも貢献できればと考えます。

第1章 提案の要旨

既存住宅の約8割が、現行の省エネ基準(断熱性能)を満たしていません。そのうち対象とする住宅はどれくらいあるのかを確認したうえで、省エネ基準は耐震基準の整備とその時期が共通していることから、耐震安全性も含め、木造戸建て住宅を中心に取り組むこととしました。「愛着のある住宅に今後も長く住み続けたい」と願う方々に安全で快適な住環境へ可能な投資金額で実現できるよう的確なアドバイスができればと考えました。

第2章 既存木造戸建住宅の耐震改修と省エネ改修事例

住み慣れた我が家にちょっと手を加えて長く住み続けたいと思う方へ、自宅である既存木造戸建住宅の改修の機会を利用して、我が家の長寿命化・省エネ化を試行した実例を思い悩んでいる皆さまに示します。

第3章 既存木造戸建住宅の断熱性能及び一次消費エネルギーの推測

日本では1980年に初めて省エネ基準が制定され、それ以降、断熱性能を考慮した住まいが建設されてきました。省エネ基準は過去3回大きく改定されており、住宅の断熱性能は段階的に向上しています。本資料では、建物の建設年度からある程度の断熱性能を推測できるよう、省エネ基準の変遷と断熱性能の関係を整理しました。これは、耐震性能を建築年から予測する方法に似ています。既存の木造戸建住宅の断熱性能を推測し、今後の断熱改修計画に役立てていただくことを目的としています。

第16回オンライン講座
 7月12日(土)
 13:30~ 15:00
  (終了しました)

  録画視聴申込み

テーマ: 令和7年建築基準法大改正に対応する『木造建築物の構造安全性確認』
 日時:令和 7年 7月12日(土) 13:30~15:00
 会場:Zoomによるオンライン配信
 講師:呉 東航 呉建築事務所 代表取締役 (サーツ会員)

 受講料:1,000円
 募集人員:100名


【講演要旨】
令和4年に改正された建築基準法は今年4月1日から施行されました。木造建築物の構造規定に関しては4号建築物が廃止され、必要壁量が個々に算出するほど大きく変わりました。ほぼ同じタイミングで、講師は旧共著「耐火木造[計画・設計・施工]マニュアル」の改訂作業を行い、改正建築基準法への木造建築物構造安全性確認についてまとめました。改訂版は新基準法の施行に1日遅れて4月2日に発行されました。今回の講座は改訂版の構造部分をベースとするが、メインは耐火木造ではなく、広く一般の木造建築物における構造安全性確認のルート、方法などを解説します。

              

第15回オンライン講座
 3月29日(土)
 13:30~ 15:00
 (終了しました)

  録画視聴申込み

テーマ: 「省エネ改修に成功した団地大規模修繕工事事例」
 日時:令和 7年 3月29日(土) 13:30~15:00
 会場:Zoomによるオンライン配信
 講師:塚部 彰 マンダ計画有限会社 代表 (サーツ会員)

 受講料:1,000円
 募集人員:100名


【講演要旨】
 多摩ニュータウン内の293戸の団地における、耐震工事以外は何でもありの大規模修繕工事として実施された事例を紹介します。

 戸当たり500万円をかけた外断熱、サッシ、玄関扉、給排水管共用・住戸内更新、外構埋設給水管更新などの仕様とコストも紹介いたします。そして2022年以降、省エネ・再エネ関連も順次法改正され、既存住宅も省エネ改修の推進対象に位置づけられており、益々重要な課題となっています。こうした中通常の大規模修繕とは大きく異なる大々的な外断熱化の工事上の難しさ、そして実施前後の室内温熱環境変化の興味深い観測結果もご紹介いたします。また、このような工事金額をどのように工面したか、修繕積み立て金、借入金、補助金の割合も参考になるでしょう。

 最後にこのような稀有な工事を最終的に何故出来たのか?も考えます。補助金の賢い活用、管理組合委員会の長年にわたる地道な取り組みが決め手でした。

 以上2019年から2023年まで長期間をかけた先進的な管理組合の取り組みをご紹介いたします。