去る平成7年1月に阪神淡路大震災をもたらせた兵庫県南部地震が起こりました。 その後、建物の耐震性の重要性が改めて認識され、小中学校を始め、公共建物では耐震診断が実施され、各自治体や国の予算にも拠るが、児童・学生の生活空間である校舎や非常時に地域の避難施設にもなる体育館(文部科学省では屋内運動場と称している)を中心に拠点となる地域の学校から耐震補強工事が始められている。
そこで残念乍ら見落とされていると言うか殆んど助成の対象にもなっていないのが、幼稚園・保育所の園舎である理由は義務教育の施設では無い事、多くは宗教法人が色んな形で拘っている事などである。確かに寺子屋の様にお寺に隣接された幼稚園や聖何々幼稚園と言う風に宗教団体が運営している幼稚園も少なくない。特定の宗教団体に公的な金銭的支援をする事が困難なのは理解できる。 しかしそこで教育を受ける子供達には何の罪もない。近くにあるからとか、親の勤務時間に合わせて長時間保育をしてくれるとかがその幼稚園を選択した大きな理由である。私が言いたいのは少子高齢化が益々進む時代に、山上憶良の和歌にも詠まれているように、子供たちはご両親の宝でもあるが、日本の宝物でもある。是非幼稚園や保育所の耐震診断や補強工事に助成をお願いしたい。 以上のような事情から小生が代表理事をしている「地震防災建物安全協同組合」では幼稚園等の建物(園舎)に対しては無料耐震診断を実施してきている。以下の写真はその中で補強工事まで進めた幼稚園の例である。低層の建物が多く、補強工事の金額も左程、高額にはならず、子供達の安全を考えれば安いものでは無いだろうか。
マンサード型鉄骨ブレースの新設工事中 補強工事完成後 |