- 私が建築工事の「地下工法」(土質・基礎・山留)に関係する仕事に携わるようになったのは、昭和36年大成建設入社後6年の秋からのことです。早大建築学科当時は故松井源吾、故南和夫、故古藤田喜久雄各教授に各種の構造や基礎工学を学んでおりました。
昭和46年、超高層の年代を迎えて、「上高ければ地下深し」、というわけで、「地下工法の計画システム」を検討する「山留工事設計見積電算化委員会」が発足し、私はそのワーキンググループのリーダーとして約2年間、山留システムの調査研究開発を担当しました。その成果として、全社的な協力で、山留工事に関する各種工法ごとの多角的(安全性、工期、経済性)な適用判断資料が提供できるようになりました。主なモデル工事名を上げると、東京証券取引所ビル市場館、赤坂六本木再開発ホテル棟、日比谷国際ビルディング、安田火災海上新本社ビル、新宿センタービル、大崎駅前再開発事業、日銀本店営業所新館増築など数多くあります。
以降、30数年に収集された約500件の地下工事計画指導実施のデータを整理し、早大嘉納教授の指導の下に平成11年12月、「建築工事における山留計画手法に関する研究」(学位論文)としてまとめることができました。
長年にわたり、多くの方々のご指導、ご協力に感謝するとともに、自然力に対する抵抗ともいえる地下工事が地球環境を損なわないものであることを願っています。
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