- イラクの人質事件に端を発して自己責任、(事故責任?)という言葉が喧しい。規制緩和という言葉も同様である。自己責任と言う言葉は「広辞苑」に出ていない、経済改革研究会の造語だそうで、「自己責任原則を重視した競争原理の徹底の為の規制緩和を進めていかなければ」と言うくだりの造語で、「競争原理」と「自己責任」は対になる言葉である。
肯定的意味は「人のせいにしないで自分の事は自分で始末し責任を取る」と言う事であるが、「政府が手厚い弱者に対する保護政策を出来ない言い訳」と見て、「最終的には弱者へのしわ寄せ、競争する企業の経費削減に利するだけ」と言う厳しい見方もある。
回転ドアーの事故、回転式遊具の事故が問題になっている、何れも児童の事故である。、児童には自己責任を取らせる事は出来ないから事業主が全面的に責任を取る事になる。
どだい幼児が独りで殺傷力を持つ機器を安全に利用したり、操作することは無理な話であり、安全装置の改造で対応する事は不可能であり、軒並み撤去しようとの結論となる。
これは所謂、責任逃れ、責任回避である、自己責任が皆無な人を対象の装置は幼稚園の遊具並の安全性能を持たせるか、責任を負える介添え人(親)同伴でなければならない。
日本では常に被害者は善良な弱者で自己責任なんか取らない、事故が起これば、お上は何をやっているのだ、規制をしていないのか、安全基準の不備、法の不備だ とマスコミを中心に騒ぎまくる。そこでまた新たな規制である、規制緩和なんか出来るわけが無い。
日本の手厚い護送船団方式を止め欧米中心の競争社会へ参入する為に規制緩和はが必要とされているが、マスコミを中心に日本の社会の本音は規制強化の流れは変わっていない。
見通しの良い交叉点で車の量も少ない時、「赤信号で安全を確認し自己責任で横断する」ことは日本以外の殆どの国では極めて当り前である、私も良く実行するが、白い目でみられ、子供の範にならないと窘められた経験がある。青信号でも絶対安全ではないのだが。
信号は法律ではなく通行が交錯するときの優先順位を示す機器に過ぎないと思うのだが、日本人は信号を絶対視して本当に良く守る。日本人の子供は将来、競争原理の支配するシタタカナ国際社会で負け犬となるのか、貴重な存在として尊敬されるのか、心配である。
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土木にはNPOの技術支援協会は無いのかな・・・・・鶴田 裕
- 1985年に筑波で開催された科学万博で、JALがスポンサーだったHSSTという磁気浮上デモの電車に、今生最初で最後の体験と思い、長時間の行列待ちで乗車した。最近、JR東海が山梨県の実験線で年に何回か試乗者を公募していると聞き、今度こそ今生で最後の経験と思い応募した。同社のホームページによると平均70倍の競争率だという。最初も次も落選、その次の時は最高速度が500km/hにアップしていて、3度目の正直か、鉄道マニアの執念が通じたのか、飛行機の搭乗券のような切符を手にしたときは天にも昇る心地だった。
実験線の基地は富士急行の小駅から2kmほどの小高い丘の上にあり、試乗経験者からマイカーで行くのがベストと聞かされていたが、夢の鉄道に乗るのに車で行くとはマニアのプライドが許さない。YS-11よりも早いという目が回るような体験と同時に、技術の完成度はかなり高いこと、目下の研究テーマはコストダウンなどが知らされた。浮上しないリニアーモーターだけの技術なら地下鉄大江戸線で実用化されているので、本郷3丁目を利用されているサーツ会員にはおなじみだが、磁気浮上の方は、今後少なくとも私にとってはお金を払って乗る機会はなかろう。
この春、異例にも終点の鹿児島側から九州新幹線が開業した。こうすれば“絶対”に全通するとの地元代議士の悪知恵とか。昨年は高速道路建設談義で新聞紙上を賑せたが、鉄道特に新幹線建設に歯止めをかける議論は稀である。旧国鉄時代に策定した計画に沿って、民営化移行後も粛々?と実行に移しているが、ただでさえ赤字の在来線の横に大金を費やし、永久に黒字にはならない鉄道を作り、子孫に大きなしわ寄せを残している。北は仙台まで、西は博多までで打ち止め、と機会あるごとに口にしていた。北陸新幹線を長野まで開通させた時から、在来線を地元に押し付け、その後更に、青森、岩手、熊本、鹿児島の各県が捨て子を拾わされている。群馬県が拾わなかった碓氷峠が廃線になったが、高崎ー軽井沢間の新幹線自由席特急券1790円、その1.7倍以上の距離がある豊橋―名古屋間は950円だから、地元民の負担は大変だろう。
この4月から、営団地下鉄が完全民営化に伴い、東京地下鉄(株)通称東京メトロと社名変更、同時に新線建設を目下の13号線を以って打ち止めにした由。今世紀末の人口半減を考慮してのことだろう。前述の磁気浮上鉄道は長い間ご厄介になった欧米の先進技術利用に対する恩返しとして一本くらいは営業ベースに載せて欲しいが、他は止めようと言えるような(NPO)土木技術支援協会?は出来ないものだろうか。
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