シンポジウム・セミナーのご案内

平成29年度「サーツ寺子屋」

       

 第5回講座
 11月30日(木)
 18:00~ 20:00

テーマ: 「我が国におけるPC集合住宅の設計~製造~現場組立の歴史とPC構造基準」
 日時:平成29年11月30日(木)18:00~20:00   
 会場:東京大学 本郷キャンパス工学部11号館8階 松村藤田研究室 会議室
 講師:吉田 宏(サーツ会員)
 受講料:無料  (ただし、資料代・飲物代など 一般1,500円、学生1,000円) 
 募集人員:25名
 受講対象者:建築関係者、建築を志す学生、一般社会人、サーツ会員など

【講義概要】 昭和28年に壁式鉄筋コンクリート造建築物(主に集合住宅対象)の設計指針が日本建築学会から示されて以来、建設省告示・国交省告示による変遷があるものの、壁式鉄筋コンクリート造設計規準は日本建築学会によるもので今日に至っており、当時の指針が高いスペックのもとに作られた、と言えるかもしれません。
 壁式工法による集合住宅建設の歴史の中で、工業化住宅普及のためのPC化の設計~部材製造~部材運搬~現場建方~仕上げ工事施工、という一連の官民一体の建設事業展開の歴史のウェイトには大きなものがあります。
 今回の寺子屋講義では、半生に亘りPC集合住宅の設計開発から施工監理にまで携わってこられた吉田 宏氏(サーツ会員)を講師に招き、①PC工法の研究・開発活動の歩み、②耐震性を主とするPC造設計規準の変遷、③公共住宅用設計プラン(SPH)と民間分譲用設計プランの紹介、④PC板製造方式とそれぞれのプロセス、⑤画一的な平・立面から脱却したバリエーションに富む近年のPC住宅建物、⑥地震保険との関係等、について写真紹介を交えて話をしていただきます。  開発当初の貴重な写真や設計図書を収めたスクラップブックの閲覧も昔を懐かしむ楽しみの一つになるでしょう。
 ご高齢の身を押して、「今回の寺子屋が次世代の技術者に向ける最後の講義になるだろう。」との意気込みで臨まれます。サーツ会員だけでなく、PC住宅に興味を持つ多くの皆様の参加を望みます。

 第4回講座
 8月24日(木)
 18:00~ 20:00

テーマ:

「モンゴルの既存集合住宅(WPC造)の耐震化・外断熱技術調査・支援報告」
    ―国土交通省、住宅建築技術高度化・海外展開事業助成―

日時:平成29年8月24日(木)18:00~20:00   
会場:NPO法人建築技術支援協会(サーツ) 会議室
講師:安部重孝(サーツ常務理事)、岡本 直(サーツ理事)
   秋山友昭(研究支援企業:東京ソイルリサーチ)他
受講料:無料  (ただし、資料代・飲物代など 一般1,500円、学生1,000円) 
募集人員:20名

【講義概要】
  昨年、冬季に入った11月初旬に、NPO法人建築技術支援協会会員3名と共同研究支援企業の4名の7名で、大相撲で多くの横綱を輩出し、日本に親しみが深いモンゴル・ウランバートルを訪問した。    
  ODAによる日本企業の建設現場等を先ず見学し、建築実情を把握、協力 をお願いしているモンゴル科学技術大学で両テーマに対する資料と説明で調査の方針を明確にした。
 ソ連軍宿舎の廃墟でWPC造の躯体と外断熱を把握し、ウランバートル市内の集合住宅の厳冬の生活実態を見学し、耐震・外断熱の問題点を明確にし、帰国後検討の上、継続調査支援することにしたWPC構造やシールや補修などの興味ある内容について経過を報告します。

 第3回講座
 6月15日(木)
 18:00~ 20:00

テーマ: 「風土と建築防水」 ~長寿命化の基礎となる防水 Q&A-12~
 日時:平成29年6月15日(木)18:00~20:00   
 会場:東京大学 本郷キャンパス工学部11号館8階 松村藤田研究室 会議室
 講師:田中享二 東工大名誉教授 サーツ会員
 受講料:無料  (ただし、資料代・飲物代など 一般1,500円、学生1,000円) 
 募集人員:25名
 受講対象者:サーツ会員、建築関係者、建築を志す学生、一般社会人など

【講義概要】 Q&A形式のレジメに沿って、世界の気候風土と屋根の形の成り立ち、から講義は始まり、建築材料の劣化と水との関わり、建物を水から守る防水技術と材料、地下水からも影響を受ける建物構造物について、など、建築技術者が専門用語を使って一般市民の方々に説明するものとは異なり、ご家庭の主婦の方々にも解りやすい建築防水のお話です。 建築技術者や建築を志す学生の方たちにとっても、建築防水の基本となる考え方を再認識する良い機会となるミニセミナーとなることでしょう。

 第2回講座
 5月19日(金)
 18:00~ 20:00

テーマ: 「民泊と増える空き家との問題点」 ~民泊の法制度化と空き家問題解決の糸口について~
 日時:平成29年5月19日(金)18:00~20:00   
 会場:東京大学 本郷キャンパス工学部11号館8階 松村藤田研究室 会議室
 講師:玉井和博先生 大妻女子大 人間関係学部特任教授
 受講料:無料  (ただし、資料代・飲物代など 一般1,500円、学生1,000円) 
 募集人員:25名
 受講対象者:サーツ会員、建築関係者、建築を志す学生、一般社会人など

【講義概要】 一昨年来、訪日外国人旅行者が2,000万人を超え、また大阪市で「民泊」を認める条例が施行されたりし、空き部屋や賃貸マンションなどの空き物件をホテルにする「民泊」が増加している。民泊物件は3万件とも言われているが、国家戦略特区の東京大田区と大阪府では民泊認定施設が85室、利用者が324人(2015年)と、まだまだ宿泊施設に対する適格条件は厳しい。 条例が厳しいことが、増えつつある空き家の実情に合わず、条例無視で民泊させる例も多く、近隣住民からの苦情を生む原因にもなっており、このまま放置すると地域社会が崩壊する恐れもあるが、シェアハウスと民泊との法的違いに対し法緩和がどこまで可能か?など、ルール次第で観光や空き家対策の救世主にも成り得る。
 一方、近年都心に外国人をターゲットにした高級ホテルが相次いでオープンしている状況には、高級ホテル開業のメリットとして、富裕層が富裕層を呼び、彼らの多くは世界のエグゼクティブであるので、ビジネス拠点が東京になることも考えられる。 平成28年度、首都圏で中古住宅の販売戸数が初めて新規供給戸数を上回った。我が国ほど人口減少、超高齢化による住宅余り(空き家)問題が深刻な国はない。 一時的な空き家対策のカンフル剤的「民泊」ではなく、2020年の東京五輪後の民泊の行方や空き家の増減に対する国政の在り方、さらには高齢者の抱える相続対策などについても国の課題は多く、海外旅行者に対し、既存の旅館業法ではなかなか進めようのない当面の問題を、これらの住宅問題と絡め、“民泊新法”に解決の糸口を求めようとしている。
 このセミナー後半の時間を使い、意見交換が図られることを期待したい。

 第1回講座
 2月5日(日)
 14:00~ 16:00

テーマ: :「熟年世代のための“住教育”を考える」
 日時:平成29年2月5日(日)14:00~16:00   
 会場:文京学院大学本郷キャンパス(本郷 東大前駅) S館6F 605号室
 講師:吉田太一氏 (有)キーパーズ代表取締役
 受講料:無料
 募集人員:50名

開催主旨:
  熟年世代の多くの人が、現在居住中の家の問題や、親からの相続 する家の問題、団地の管理組合のメンバーとの意見調整や意思決定の問題で、悩み、奮闘している。まちづくりや建築の専門家であっても、悩みながら困っている人たちを導き助けるための判断情報や知見を持ち合わせている訳ではない。
 今、多くの悩める熟年世代のための「住教育」が必要とされていながら、その学習すべき内容や啓発すべき方法が見えていない中で、注目される関連著書を執筆された吉田太一氏をお招きしてミニ講演を お聞きし、「熟年世代のための“住教育”」のあり方について、意見交換するパネル・ディスカッションを開催する。