サーツのご紹介

分野別会員紹介

木村 博則(きむら ひろのり)


正会員
(株)石本建築事務所 顧問、 人・環境ラボ代表
専門分野 環境工学、環境配慮計画、建築設備
こんな活動ができます/技術指導・講師・研究など

(1)協会での活動の目的   
・地球環境負荷削減に向けた建築分野の設計活動は、意匠、構造、環境の枠組みを超え
 た連携、協力なくして実現できません。一方、建築分野の環境工学の設計に関わるシミ
 ュレーション技術は機械、化学、医学などの他分野に比して、大変遅れていると感じ
 ております。これらの現状について、見識ある本協会を通して、少しでも発信ができ
 ればと思っております。
・高齢化社会、70歳定年制の時代を迎え、これからは、個人の生活習慣の見直し、
 そのための都市に集中した職場の在り方の変革が必要と感じております。
・日常生活のウエルネスの向上には、建築環境の質の向上が必要と言われていますが、
 一方、人の健康維持、予防保全については、日々の食生活の改善が注目されています。
 そこで、食生活の改善の大切なこと、さらに食材の生産に伴う地球環境問題ついて発
 信ができればと考えております。
(2)どんな活動ができるか   
・技術指導/CFD解析等の設計への活用に向けた初級者向け技術指導等
・講習会/環境工学分野に関わる実務家を目指す方のための大学レベルの基礎講座
・講習会/空調の設計技術において今後に必要とされる技術講習会等

経験・実績 ・ホンダ青山ビル(本田技研工業本社ビル)竣工1985年
 設備設計担当、改修計画・リノベーション担当(1999年以降継続して担当)、
 継続的省エネ改修に伴う調査研究、冬季のゼロエネルギーバンド制御の研究(2019年)
・キッコーマン野田本社屋 竣工1999年   
 設備設計担当、パッシブ性能調査研究(2001年)  
・早稲田大学36館 竣工1999年  
 設備設計担当、躯体蓄熱研究(委託研究)2000年~2002年、空調電子式風量制御方  VAV方式の調査研究(2000年~2002年)  
・自治大学校:2003年竣工、延床面積2,8615m2   
 国土交通省監修のグリーンビルディングとして立川市郊外に建設された教育施設。
 全国の地方行政を担う人材を育成し、教育する研修施設です。受講者は敷地内の寮に
 居住し、年間のプログラムの下で幅広く教育を受ける大学校。
現在の職業など
(退職時の職業など)
人・環境ラボ代表、石本建築事務所 顧問として、環境配慮計画の業務支援・研究開発、教育指導の業務などを担う。
資格・受賞など ・資格等:1級建築士、設備設計1級建築士、博士(工学)、CASBEE評価員
・受賞等:空気調和・衛生工学会特別賞十年賞、JIA25年賞、BELCAベストリフォーム賞
略 歴 ◇略歴
 1970年3月 香川県立高松高等学校卒業
 1977年3月 早稲田大学大学院理工学研究科(機械工学専攻)修士課程卒業
 1977年4月 株式会社石本建築事務所入所
 1998年4月 株式会社石本建築事務所環境設備計画室部長
 2004年3月 宇都宮大学大学院工学研究科エネルギー環境科学専攻博士課程卒業  2011年4月 石本建築事務所執行役員環境統合技術室室長
 2017年4月 石本建築事務所顧問
 2020年4月 石本建築事務所エンジニアリング部門環境グループ顧問
 2021年4月 石本建築事務所を退職
 2021年5月 人・環境ラボ代表、石本建築事務所 顧問(コンサルタント)
◇教育活動
 2005年~現在 千葉大学工学部総合工学科都市環境システムコース 非常勤講師  2012年~現在 獨協大学全学総合講座講師(環境学)
◇学会活動
 2005年~2006年 日本建築学会活動関東支部常議員
 2013年~2014年 日本建築学会活動関東支部代議員
 2018年~現在 日本建築学会
         環境工学委員会省エネルギー計画手法開発小委員会委員
◇建築設備綜合協会活動
 2005年~2016年 月刊誌「BE建築設備」編集委員長
◇今後取り組むべき活動等
・我が国の省エネルギーへの取り組みは、建築分野においては、1990年度比で2020年
 度では約-2.4%に過ぎない。現在は、我が国は2013年度比にて2030年度46%削減
 の目標設定の実現において、これからの10年が大切であると言われている。
・国を挙げて取り組まなければならないのですが、そのような状況にはなっていないと
 感じております。この状況を打開するためには、身近で確かな省エネルギー技術を、
 より多くの既存建築物に普及させるムーブメントが必要と思っております。
・全国の417の自治体において、2050年の脱炭素化ゼロが宣言されています。これらの
 実現のためには、これら担うコンサルタントとしての建築士を、より多く育成するこ
 とが最重課題と考えております。
実績リスト  別紙参照 ​
論文・著作など

代表的な論文・著作を以下に紹介いたします。

(1)ホンダ青山ビルに関わる論文、受賞
・論文 冷温水配管方式における単一ダクト冷暖フリーVAV空調システムの実測結果
(第1報~第4報)2018年9月~2019年9月 空気調和衛生工学会大会学術講演概要集
 論文の主旨
 冬季、インテリアゾーンにおける空調システムのゼロエナジーバンド制御の活用他
・受賞:2014年JIA25年賞(大規模改修時)、1987年BCS賞(竣工時)

(2)キッコーマン野田本社屋に関わる論文、受賞
・論文 外皮に外ルーバーを有するガラス建築の実測と評価 : その1. 南面における
 年間透過日射量の実測結果(日射遮蔽,環境工学II)  2001年 日本建築学会大会
 学術講演概要集
・論文 竣工後10年を迎える環境配慮型建築における空調負荷およびエネルギー消費
 量の実測(建物のエネルギー消費,環境工学II) 2009年
・受賞 空気調和・衛生工学会特別賞「十年賞」2011年

(3)早稲田大学36号館に関わる論文
・論文 大学施設における躯体蓄熱システムの実測と性能評価
 ―冬季暖房運転― 日本建築学会技術報告集 第16号 177~180 2002年12月

・論文 風量計測により制御するVAV方式の省エネルギー実測結果
 空気調和・衛生工学会論文集、NO.88号 2003年1月

・論文 風量計測により制御するVAV方式の送風効率に関する実測結果
 空気調和・衛生工学会論文集、NO.92号 2004年1月

(4) 既存改修に関わる論文
・論文 40567 CO2削減コストの追加的削減費用による評価の考察
 ―基本計画レベルにおける適用事例とその考察― 2009年8月

・論文 建築ストック活用とそのライフサイクル評価の検討
 ―その1 収益性を考慮したLCC計算手法の検討― 
  日本建築学会大会学術講演概要集 2011年8月

・論文 建築ストック活用とそのライフサイクル評価の検討
 ―その2 LCCO2の経年変化による評価の考察― 
  日本建築学会大会学術講演概要集 2011年8月

(5) 著作
 躯体蓄熱(オーム社 平成19年)共著、建築の電気設備(彰国社 2009年)共著


その他・コメント  若い世代とともに、豊富な経験を有するベテラン、高齢者等の指導者も、これからの設計に期待されるコンピュータ・シミュレーションに取り組むことで、建築分野のエンジニアリングが加速的に向上するのではないかと感じております。​