学生時代に趣味はと聞かれたら「酒と麻雀」と答えていましたが、最近はほとんど麻雀をすることがなくなったので、もっぱら「酒」だけとなってしまいました。酒もいろいろ好きで、いろんなものを飲むけれど、ここではベルギービールを紹介したいと思います。
15年ほど前からベルギービールを飲みはじめました。神田や神楽坂にあるベルギービール専門のバーで飲むことがほとんどです。何をきっかけということでもないのですが、そのころはまだ目新しかったのと、バーの雰囲気が良く、同年代の人たちがたくさん来ていたからでしょうか。ベルギービールとは、日本でいうところの地ビールだと思っていただければよろしいかと思います。通常のビールとはだいぶ違っていて、果実を混ぜて発酵したジュースのような味のものから、すっきりこくのあるものまで、様々な味のバリエーションがあります。ビールと呼ぶからイメージが伝わりにくいのかもしれませんが、どちらかというと、カクテルを味わっているのに近いのかもしれません。修道院で造っていたビールが有名ですが、それ以外にもいろいろところで造っているので、狭い国土の中に造り手が100以上、銘柄にして700とか800とかあるといわれてます。中にはミントビールとかバナナビールとかもあるのですから、これはもうカクテルか、はたまたジュースかという感じですね。
最近では日本でも、ベルギービールを出す店が増えたので、飲み屋を探して回れば100種類以上のものが味わえるでしょう。ベルギービールを味わってみる気になったら、デパートでいくつか買ってきておそるおそる家で飲む、なんてことを最初からしてはいけません。きちんとしたベルギービール屋さんで飲むことをおすすめします。なにせ、ベルギービールはその多種多様な種類ごとに、グラスが別々に存在するのですから、これらグラスも含めて味わうのが正しいベルギービールの飲み方です。
現地ブリュッセルのカフェでは、クワックというビールのグラスがとても貴重なので、これを頼むとグラスを持ち逃げされないように店に靴をとられて壁に掛けられるという逸話があるくらいです。ちなみにきちんとしたベルギービールの店とは、30種類以上の銘柄が置いてあって、それぞれのグラスもきちんと置いているところ、という感じでしょうか。
おすすめとしては最初は白ビールがいいでしょう。白にもいろいろありますが暑いときには生がいいですね。ヒューガルデンというメーカーの白ビールなら、比較的多くの店においてあります。修道院ビールで有名なのはシメイですが、シメイにも赤、白、青と3種類の違う味があります。ウエストマールとかロシュホルトとか、濃いめの修道院ビールは茶色をしていてどっしりとした味わいです。他にも果実味の強いものや、酸っぱい味など、いろいろとありますが、お店で飲むならメニューを見ながらいろいろと店の人の説明を聞いて相談して選ぶのもまた楽しみです。グラスだけでなく、ビンも形からラベルからいろいろあります。これらを集めたり写真にとってコレクションする人もいますよ。
個人的によく飲むのはデュベルという銘柄、悪魔のビールといわれてますが、すっきりした味です。初めての人には飲みやすくてグラスもかわいいので印象に残るのが、デリリウム・トレメンスという銘柄で、ピンクの象がビンにもグラスにもあしらわれています。
おっと、大事なことを言い忘れてました。日本のビールよりアルコール度数が高いものが多いので気をつけてください。白ビールは日本のものと同じで5%くらいだけど、修道院ビールなどは8%や9%のものがほとんどなのでご注意を。先ほどの私のお薦め2本も9%くらいです。デリリウム・トレメンスとは、心理学用語で幻覚症状という意味で、酔っぱらうとピンクの象が見えるというヨーロッパのお話に基づいたデザインだそうです。
長い夜を経験したければ、是非一度お試しください。
デュベル(右)とデリリウム・トレメンス(左)のビンとグラス
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