- 「帽子をつくる」・・・・小野口弘美
- 帽子を作り始めたきっかけはなにか手作りがしたいということでした。父が若い頃からずっと今も中折れのソフト帽を被る人だったものですから、帽子だったら確実にひとりは喜んでくれる人がいるということもあり選びましたが、実のところ靴でもバッグでも洋服でも彫金でもなんでも良かったのです。
帽子教室では、好きなデザインを考えその型を立体的につくり、帽体と呼ばれる素材を蒸したり湿らせたりして型にはめ込みオリジナルの帽子を作る行程を、2年間(週1回)通い、丁寧に教えていただきました。
教室は20代前半から後半の女の子がほとんどでした。みんなが自分の発想なりを自由に、自信を持って発表してものをつくるという雰囲気に満ちていたので、大学時代の授業以上にのびのびと過ごし、得るものもたくさんあったのではないかとふり返ります。また、先生はどこかしら良いところを見つけて作った帽子を褒めてくださったので、それも良かったのかも知れません。
最近は帽子をかぶる方が増えてうれしいかぎりです。これからも趣味と少しばかりの実益を兼ねて、細く長く続けて行きたいと思っています。
この場をかりて、今までにつくったものをいくつかご紹介させていただきたいと思います。
- 型作りにはスパットリーという、繊維がバイアスになっている素材を使う。
これを4枚ほど重ねてしっかりと糸で縫い合わせて型の原型を作っていく。これにチップと呼ばれるペンキを塗って強度を高めて完成。(木型は高額なので大部分はこうして自分でつくる。