「浮子をみつめて大鯛釣り」・・・・ 村岡 暹

 映画“釣りバカ日誌”シリーズも毎回各地の多彩な釣りが登場し、釣りバカにとって、興味の尽きない、楽しみとなっている。
 シリーズでは、いまだに紹介されていないが、九州北西部沿岸で、アマ釣り師の代表的釣法の“浮子流し釣り”を披露したい、目標とするのは主に“大鯛”である、通常の獲物は、1k〜2kの“鯛”或いは“いさき”であるが、4k65cm超の大物も、ここ数年の間に、7枚は取り込んでいる。

 釣りには、三つの段階・楽しみがある。釣りの前夜、密かに作戦を立て、工夫を凝らし魚を誘う仕掛けを作る、これは、最初の楽しみ、想像と推理の楽しみである。
 次は当然、獲物が掛かり、何とか逃げようとする大鯛との息詰るやり取りの末、タモ網に取り込んだ瞬間の何ともいいがたい達成感である。残酷と言う勿れ、厳しい自然の中で生き延びてきた人類の狩猟本能そのものである。最後は当然のこと、釣り人の特権、築地でも味わえない、獲れたての味覚の楽しみである。

 潮に乗り、仲間5人(実はライバル)の浮子がゆっくりと流れ遠ざかっていく。誰に最初の当たりがあるか、もう100m離れ、小さく波に見え隠れしている。竿を大きく振り撤餌を出す。
 1分、2分・・・浮子がゆっくり沈んでゆく。“来た”立てた穂先がコンコンと曲がる。大物だ。電動リールのスイッチを切り手巻きに変える。慎重に、必ず取り込むぞ。
朝焼けの玄界灘・釣場に向かう
大鯛釣り仕掛 
竿 50号=3.0m
電動リール 道糸350m
浮子 50号 L=1.5m
テンビン 50号
撤き餌籠 ステン蓋付
5号ハリス 12m 3本針