「ヨットの楽しみ」 ・・・・小畑晴治

趣味は?と聞かれて、「クルーザーヨットに乗ることです」と答えると、「凄いですね!」とか「羨ましいですね!」と以前はよく言われたものです。最近はそうでもありません。きっと、遊びや趣味の領域が広がり、個性的な楽しみが多くなっているからだと思います。それでも、できるだけ多くの人にお勧めしたい趣味、自然の中で自分を取り戻すことができる「ワイルドな遊び」です。
海の上は、本当に広くて静かな空間です。東京・横浜あたりでも少し沖に出ると、陸上の混雑はありません。エンジンを止めて帆だけで進む時、波の音と風の感触が何とも言えず心地よいのです!魚が跳ねたり、海鳥が近付いたりもしますし、相模湾まで行くと、イルカや鯨に遭遇することもあります。夜間航行すると、ヨットの引き波に反応して、夜光虫がキラキラと水中まで光り、航跡が彗星の尾のようにも見え、とても幻想的です。
各部の名称と艤装・操船を覚えるまでが、一つの関門、そしてもう一つ、塩分や直射日光で劣化するのを防ぐために毎回の艤装解除、乗艇のつどの再セットという手間に慣れるのが二つ目の関門です。この手間やメンテナンスを、楽しみと考えられるかどうかが分かれ道です。他の趣味に比べて特にお金が掛かる訳ではありませんが。