自著によせて・・・・滝澤清治

■ 住宅技術の新常識40/著:日経ホームビルダー・建築技術支援協会
雑誌の連載記事の単行本化
 この本は、「日経ホームビルダー」誌の連載記事“顧客にも説明ができるQ&A”をピックアップしたものと、新規に書き起こしたものを合わせた40項目のQ&Aと、最近の新聞や雑誌に見られる32項目の用語解説で構成されている。
 内容の根底を成すものは1980年代始の、住宅のストックが世帯数を上まわった時代、住宅市場では、量から質への転換が必要とされ、快適性(アメニティー)がキーワードとなり、均一な温度分布の確保、隙間の少ない開口部、使い易いキッチンセット、付加価値の高いトイレやバス、リモコン操作で便利な給湯器、通信設備機器等が提案された。
 そして社会的な要求として安全・安心と環境問題に対するキーワードが加わり、数次にわたるオイルショックによる省エネ化、高齢化対応へのバリアーフリー化、シックハウスへの対応、盗難の多発による防犯住宅、大型地震の発生から免震住宅への関心、建基法の性能規定化、住宅の性能表示制度の実施等、多くの情報が発せられた。
 それに対応して、各種建材の開発、設備機器の高度化等大きな変革が有って、関連産業から品質、性能が向上された製品が短いサイクルで続々と提案された。
 この様に、現在の住宅分野では、広範囲の技術や情報が日々変化し、顧客からは幅広い知識が求められる時代に、設計者や施工関係者が、それまでに得た建築の知識に依存している感が否めず、時代の変化に充分な対応が出来ていないので、そこで、前記の要素を抽出した解説を集大成して住宅関係の方々のお役に立てられたら良いと思い、下記の項目を4部で構成した内容の単行本を発行した。
第1部・基本性能を高めるために/地盤・基礎、気密・断熱・結露、水・雨、耐久性
第2部・より快適に住まうために/空気環境、設備、音、
第3部・住まい手を守るために/防火、防犯、家庭内事故対策
第4部・キーワード解説/前記中項目の関連項目に法律・制度・トレンドを含めた用語の解説。         
■出版社/ 日経BP社
■ A5版238頁=2,100円(税込)